アトピー性皮膚炎 九州大学医学部皮膚科学教室TOPへ
漢方療法
諸橋正昭、豊田雅彦
*富山医科薬科大学医学部皮膚科
要旨 はじめに 研究目的 方法 結果 考察 参考文献
漢方療法評価表一覧
評価表の見方
評価法の見方
方法
MEDLINE、PubMed、医中誌などのITを利用し、過去20年間(1983〜2002年)の国内外のアトピー性皮膚炎に対する漢方療法に関する文献的検索を施行した。海外論文の検索では、「atopic dermatitis OR eczema OR neurodermatitis」に「Kampo medicine (therapy) OR (traditional) Chinese herbal medicine (therapy) OR Chinese herbs OR Chinese medicinal plants」をcombined させ、最後にclinical trialのlimitをかけた。得られた論文は23編であったが、in vitro のデータ報告主体のもの、動物実験、症例報告(ケース・レポート)の混在は避けきれず、最終的に本研究目的に沿った論文6編に絞られた。国内からの臨床研究報告の検索には、学会抄録(プロシーディング)、学会発刊誌なども検索し、74編の文献が得られた。このうち、試験方法が比較的詳細に記されており、対象症例数は10例以上の論文を選択した。エビデンスのレベルを考慮し、研究デザインとして RCT およびそのシステマティックレビュー、ケース・コントロール試験、コホート研究を理想としたが、国内からの質の高いこれらの試験報告は皆無であった。そこで、最も多く検索された症例集積研究のうち臨床効果や有用性の評価が比較的厳密であり、安全性の評価も記載されている文献を採用した。報告は皮膚科臨床医からのものに限定しなかったが、最終的には小児科領域からの論文1編を除いては全て皮膚科領域からの報告であった。以上より、最終的に、アトピー性皮膚炎患者に対する臨床試験に関する14の和文文献を、評価対象として採用した。


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