アトピー性皮膚炎 九州大学医学部皮膚科学教室TOPへ
スキンケア
秀道広1)、高路修2)、望月満3)、田中稔彦1)
1)広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻探索医科学講座、2)県立広島病院皮膚科、3)国立病院機構呉医療センター皮膚科
研究要旨 はじめに 研究目的 研究方法 研究結果 考察 結論 参考文献
スキンケア評価表一覧
評価表の見方
評価法の見方
はじめに
アトピー性皮膚炎の治療の目標は、治療による有害作用を最小限に抑えながら炎症を沈静化し、QOLを改善させることにある。皮膚の炎症の沈静化にはステロイド外用薬とタクロリムス軟膏が極めて有用であるが、それらのみでは短期的な状態の改善は達成できても、長期にわたる安全で安定した皮疹のコントロールは困難なことが多い。アトピー性皮膚炎の治療においては、これらの薬物療法のみでなく、悪化因子からの回避とスキンケア対策を十分に講じることで、治療効果と安全性の両面を満足することが期待できる。スキンケアの実施方法は、悪化因子である環境抗原や汗などを除くための入浴や室内環境整備と、保湿外用薬による皮膚状態の改善に分けることができる。特に保湿外用薬は種々の製品が市販され、医師の処方薬ばかりでなく患者自らが薬局で選択・購入することもできる。さらには昨今のステロイド忌避の風潮から、激しい皮膚炎を有する患者においても保湿外用薬のみで治療されている例が少なからずある。このような状況の下、アトピー性皮膚炎の治療における保湿外用薬の使用方法とその効果について信頼しうる情報を収集し、周知することは有益なことと考えられる。
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