治療に前向きに取り組めるようになるには | 患者の視点で考えるアトピー性皮膚炎 | アトピー性皮膚炎ってどんな病気?

5. 治療に前向きに取り組めるようになるには

アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。せっかく良くなったと思ってもすぐに悪化してしまうこともあり、治療の意欲が減退してしまうことがよくあります。それでも治療をしていかないとさらに悪化することになるので、なんとか継続をしているという方も多いのが現状です。そのような中で、どのようにモチベーションを維持しているのかを聞いてみました。

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アトピー性皮膚炎の病態やステロイド外用薬についての知識を得て、薬を使う意義を理解し、納得して治療をすることにより、良くなることを体験する。

「毎日薬を塗らないと生きていけない私」と思うとつらくなってしまいますが、「毎日薬を塗るだけで普通の人と同じように生きられる私」と同じことでも発想を変えるともっと楽に考えることができ、前向きになれる。

良くなって達成したい目標や行きたい場所を決める。あまり大きな目標ではなく、実際にできるものにし、それに向かって努力する。

例)
・夏に半袖を着られるように、腕だけは良くして、掻かないように気を付ける。
・顔を掻くと人に会うのがつらくなるので、顔だけは掻かない。
・普通の生活が送れるなら、それで“良し”とする。

目標を達成できた自分にご褒美をあげる。

例)
・腕がきれいになって半袖が着られるようになったので、欲しかった高い洋服を買う。

処方薬が変わったとき、悪化したときなどに自分で「治療強化週間」を作り、1週間重点的に治療を行い、良くなる実感をつかむ。

できないことばかりを考えるのではなく、代わりのものを考える。

例)
・プールでは塩素に反応してしまい泳げないので、海へ行くのはどうだろう。

薬を塗ることを、歯みがきと同じような生活のルーティーンにする。

例)
・いろいろなところに薬と保湿剤を置き、そこへ行ったら保湿剤を塗るようにする。

顔の皮疹が良くなってお化粧ができるようになったり、保湿剤から敏感肌用のクリームに変えることができた。薬のようにベタベタせず、容器もおしゃれで気持ちが明るくなった。この状態を維持できるように治療をしていこうと思った。

患者会の講演会や患者交流会に参加し、同じような悩みを持ちながら治療を続けている人がたくさんいることを知り、自分もがんばろうと思った。

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