アトピー性皮膚炎 九州大学医学部皮膚科学教室TOPへ
合併症
アトピー性皮膚炎とウィルス感染症 アトピー性皮膚炎と細菌感染症 アトピー性皮膚炎と白内障
深川修司1)、安元慎一郎2)、絹川直子3)、野瀬善明4)、古江増隆1)
1)九州大学大学院医学研究院皮膚科、2)久留米大学医学部皮膚科、3)九州大学病院医療情報部、4)九州大学大学院医学研究院医療情報部
アトピー性皮膚炎と細菌感染症
要旨 はじめに 研究目的 方法 結果 考察 結論 参考文献
合併症評価表一覧
評価表の見方
評価法の見方
考察
膿痂疹の治療においては外用抗菌剤がプラセボより効果的だった。また外用抗菌剤はいくつかの経口抗菌剤よりも効果的だったが、そのエビデンスは弱いものだった。実際外用抗菌剤は経口抗菌剤よりも全身の副作用も少なく29)、治療のコンプライアンスもいいと思われる。またin vivoでの動物30)や人間31)の実験から、外用治療効果が大きいほど病変部位の薬剤濃度は経口剤よりも高いとされている。しかしながら抗菌外用剤はmupirocinとfusidic acidについてのRCTが多く、本邦でよく使用されているgentamicin、fradiomycin、chloramphenicolやそれらの合剤などについてのRCTは少なかった。
検索結果を15に絞り込む段階で、多くはランダム化や盲検化が不十分であったり、比較対照群を欠いていたために対照から外された。また研究のほとんどは規模が小さく、膿痂疹のサブグループ解析もあった。消毒石鹸など非抗菌的治療の有用性を示した研究もあったが、研究の質が低かったため除外した。しかしながら実際には中等症から重症の膿痂疹の治療において消毒、外用抗菌剤、内服抗菌剤を併用することが多い。
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