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当科における臨床研究

アトピー性皮膚炎の問診票の有用性の解析

1.臨床研究について

アトピー性皮膚炎の重症度を判定する指標として、医師などの医療者が客観的に評価する評価方法と、患者様自身が評価する主観的は評価方法(問診票)とがあります。主観的な評価方法としていくつかの問診票が使用されていますが、どの問診票がより優れているのかという点についてはいまだ確立されていません。そこで、九州大学病院皮膚科で使用されているアトピー性皮膚炎の問診票を比較し、評価方法による相違や有用性などを明らかにしようと考えました。

今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2026年3月31日までです。

2.研究の目的や意義について

アトピー性皮膚炎の病勢を判定する指標として、医師などの医療者が客観的に評価する評価法と、患者自身が評価する主観的評価法があります。主観的評価法としていくつかの問診票が使用されていますが、どの評価法がより優れているのかという点についてはいまだ議論されているところです。そこで、当科でアトピー性皮膚炎に対し日常診療で使用されている問診票の内容を評価し、それぞれの評価尺度による違いや有用性を明らかにしようと考えました。

3.研究の対象者について

2019年4月1日から2021年3月31日までに九州大学病院皮膚科を受診した患者さんによって記載されたアトピー性皮膚炎患者に対する問診票全例(400例)を解析対象とします。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。

4.研究の方法について

この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。測定結果と取得した情報の関係性を分析し、アトピー性皮膚炎における問診票の有用性を明らかにします。この研究を行うことで患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることはありません。

〔取得する情報〕
年齢、性別、血液検査結果(血清TARC (Thymus and activation-regulated chemokine)値)、客観的皮疹の重症度(EASI: Eczema Area and Severity Index)、
問診票の記載内容(図1):かゆみの程度(NRS:Numerous Rating Scale)、皮疹の重症度(POEM:Patient-Oriented Eczema Measure・GQ:general question) 、全般的な改善度(ADCT:Atopic Dermatitis Control Tool)

(図1)
問診票イメージ

5.個人情報の取扱いについて

個人情報漏洩を防ぐため、九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野においては、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができないようにしております。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
研究対象者のカルテの情報や問診票の記載内容をこの研究に使用する際には、容易に研究対象者が特定できる情報を削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、九州大学病院・講師・中原剛士の責任の下、厳重な管理を行います。

6.試料や情報の保管等について

〔情報について〕
この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野において九州大学病院・講師・中原剛士の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について

九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。

本研究に関する必要な経費は講座寄付金を用いますが、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません

利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。

利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学病院ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

8.研究に関する情報や個人情報の開示について

本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。また、研究結果は、九州大学病院皮膚科のホームページへ掲載いたします。

9.研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所(分野名等) 九州大学大学院医学研究院皮膚科分野
九大病院皮膚科外来
研究責任者 九州大学病院 講師 中原剛士
研究分担者 九州大学医学研究院皮膚科学分野 助教 中原真希子

10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。

事務局(相談窓口) 担当者:九州大学医学研究院皮膚科 助教 中原真希子
連絡先:〔TEL〕092-642-5585
    〔FAX〕092-642-5600
メールアドレス:macky@dermatol.med.kyushu-u.ac.jp

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