アトピー性皮膚炎では、一見正常に見える皮膚でも、多くはドライスキンの状態にあります。そのため、できるだけ広い範囲に保湿外用薬を塗りましょう。
保湿外用薬は少し多めに取り、手のひらを使って皮膚にまんべんなく塗りのばします。皮膚のしわはたいてい体の軸に対して横方向に走っています。できるだけしわに沿って薬を塗りのばしてください。背中など自分で塗りにくいところは、誰かに手伝ってもらいましょう。ステロイド外用薬やプロトピック軟膏は、皮膚炎の明らかなところを中心に、保湿外用薬の上に重ねて塗ります。
皮膚炎がないからといってまったく外用薬を塗ることを止めてしまうと、どうしても皮膚は乾燥しがちになり、さまざまな刺激に敏感に反応してすぐに皮膚炎を再発してしまいます。1日1回は必ず保湿外用薬を塗りましょう。一日のうちでは入浴後が最も適切です。入浴後、体がまだ湿っているうちに保湿外用薬を塗ると、保湿外用薬が体の表面の水分を閉じ込めるので、最も効果的に保湿できるからです。朝、シャワー浴ができないときには、霧吹きで皮膚に水分を与えてから保湿外用薬を塗ると効果的です。また、保湿外用薬は薬局で販売している市販のものでも構いません。
繰り返しますが、一時期皮膚炎がおさまっていても、皮膚炎を起こしやすい体質そのものはなかなか変わりません。皮膚炎が悪化してきたら、保湿外用薬だけに頼ることなく、かゆみが強くなる前に迷わずステロイド外用薬またはプロトピック軟膏を塗って、皮膚炎を抑えましょう。ステロイド外用薬をたいして使わずにすみ、結果として副作用も心配せずにすみます。
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