民間療法における二重盲検比較試験は5例認められたが、そのいずれも症例数が少ない、また多施設における大規模調査ではない、また脱落症例の記載がないものが多いなどが認められた。またsystematic
reviewにおいては、evening primrose oil、aromatherapy、massage therapy などの報告例が認められた。Pilot
studyなどで、大部分がエビデンスレベル3であった。
不適切な民間療法による悪化事例の内容は、大きく分類して、(1)ステロイド忌避による皮膚炎の悪化、(2)皮膚炎の悪化に併発して生じる合併症、(3)民間療法で使用される製品、手技などによる副作用に分類された。合併症の内容を検討すると、感染症(カポジ水痘様発疹症、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)、腎機能障害、成長障害などが認められた。
脳梗塞、横紋筋融解症状、ケトン性低血糖など重篤な症状を呈した症例が認められ、最近も増加している現状が認められた。また治療によって合併症の改善を認めた症例がほとんどであったが、後遺症を残した症例も認められた。
不適切な民間療法によって生じる合併症は現在も増加傾向にあり、これらに関しては医療側、患者側で認識をする必要があると思われた。
|