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環境アレルゲンとアトピー性皮膚炎の病態機序との関わりについては、未だ明確な結論は出ていない。しかしながら、環境中のアレルゲン暴露を減少させるための環境整備によりアトピー性皮膚炎の症状が改善したという経験を有する医師は少なくない。環境中のアレルゲン暴露量の定量的測定は必ずしも容易ではないが、アレルゲン分析研究の進歩とともにmajor allergenの同定、単離が可能となり、その定量的な検索方法が開発され、未だ限られたアレルゲンにおいてのみではあるが、環境中の暴露アレルゲン量の定量的測定が可能となってきた。それとともに近年は環境整備の効果を環境アレルゲンモニタリングにより検証しつつ臨床症状の改善効果を評価した論文が認められるようになってきた。その結果、気管支喘息特に小児喘息においては、環境整備による暴露アレルゲン量の減少が症状改善につながるという報告が多く認められている。しかしながら、アトピー性皮膚炎に関しての環境整備と症状改善との関連についての報告は必ずしも多くはない。 |
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