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タクロリムス外用療法
佐伯秀久1)、鳥居秀嗣2)
1)東京大学大学院医学系研究科皮膚科、2)社会保険中央総合病院皮膚科
要旨 はじめに 目的 方法 結果 考察 結論 参考文献
タクロリムス外用療法評価表一覧
評価表の見方
評価法の見方
考察
タクロリムス外用薬は発売以来4年以上が過ぎ、全世界的にAD患者に使用されるようになった。現在までに得られた臨床知見から、タクロリムス外用薬のADにおける短期および長期の有効性は十分に証明されており、さらに本剤を既存のステロイド外用薬と比較した場合、0.1%タクロリムス軟膏はストロング・クラスのステロイド軟膏とほぼ同等の効果を示すことも実証されている。他方、タクロリムス外用薬の安全性に関しては、副作用として一過性の灼熱感がほぼ全ての研究結果により示されているものの、重篤な全身性副作用は無く、安全性に大きな問題はないものと考えられる。これらタクロリムス外用薬の有効性および安全性に関する検討の多くは無作為、多施設二重盲検試験を行っており、質の高い臨床試験の結果に基づいたものと言える。今後はステロイド外用薬との組み合わせなどにより、安全性を確保しながら、タクロリムス外用薬の有効性を最大限引き出す治療法などに関しても検討がなされていくものと期待される。また、1〜2年以上のより長期における安全性についても今後検討が続けられていくものと期待される。
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