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抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン作用のあるもの)はアトピー性皮膚炎の治療薬として適応が認められ、広く使用されている。しかし、日常の診療では副腎皮質ステロイド外用薬との併用で使用されることが多いため、その強力な抗炎症作用にマスクされて効果が患者に実感されにくく、処方する医師にも分かりにくい。1999年、Kleinら1)は16の論文のシステマティックレビューを行い、アトピー性皮膚炎に対する抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の有効性評価には大規模なランダム化比較試験や臨床疫学的にレベルの高い報告が少ないことから、その有用性は否定的であると報告した。これに対し、2003年、Kawashimaら2)はエビデンスレベル1の論文を発表し、抗アレルギー薬がアトピー性皮膚炎に奏効することを証明した。これをきっかけとして、以降、本邦の報告を中心に抗アレルギー薬のアトピー性皮膚炎に対する有効性が、EBMの観点から実証されつつある。 |
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