その他の治療法 | 医師の視点で考えるアトピー性皮膚炎 | アトピー性皮膚炎ってどんな病気?

その他の主な治療法

紫外線療法

日光を浴びるとかゆみが生じてアトピー性皮膚炎が増悪する人もいますが、逆に軽快する人もいます。そのメカニズムに関しては、まだはっきりと解明されていません。
紫外線はさまざまな波長の光の複合体ですが、このなかで治療効果の高い紫外線だけを用いて治療を行うのが紫外線療法です。紫外線ですから、照射量が多いと日焼けと同じようにヤケドをしますので、安全な照射量から徐々に増量していきます。重症の患者さんには、通常の保湿薬、ステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬の治療に加えて、紫外線療法を追加すると非常に効果的です。タクロリムス軟膏は、紫外線療法が終了してから使用するようにします。紫外線療法は週に3~5回ほど照射しますので、紫外線治療導入時にはほとんどが入院治療で行われます。

シクロスポリン内服療法

通常の保湿薬、ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、抗ヒスタミン薬の治療を行っても軽快しない重症の患者さんでは、シクロスポリン(ネオーラル®)の内服を併用します。シクロスポリンは免疫抑制剤ですが、乾癬と呼ばれる皮膚病、ベーチェット病などさまざまな病気の保険適応になっており、早期にかゆみを抑える作用があります。副作用として高血圧、腎機能検査異常、高血糖などがあらわれることがありますので、検査所見をモニターしながら継続投与します。通常、12週間内服していったん中止し、必要がある場合はその後2~4週間の休薬期間をおいて再投与します。

ステロイド内服療法

重症の患者さんや急性の全身増悪の患者さんでは、短期的にステロイドを内服することがあります。ステロイド外用薬と異なり内服薬は血糖値をあげたり、胃粘膜を過敏にしたり、骨粗鬆症を引き起こすなど、全身性の副作用があらわれることがあります。そのため、短期間(3週間以内がめど)の内服で様子をみたり、増悪したときだけ2,3日内服する頓服〈とんぷく〉療法として処方されます。

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