特徴 | 医師の視点で考えるアトピー性皮膚炎 | アトピー性皮膚炎ってどんな病気?

アトピー性皮膚炎ってどんな病気?

アトピー性皮膚炎の特徴

強いかゆみを伴う発疹が繰り返し出現します。発疹が広がると、かゆくて夜も眠れなくなります。

約80%の患者さんは5歳くらいまでに症状があらわれます。なかでも乳児期の発症が多く、生後数週~数ヵ月頃から発疹がではじめます。

発疹は顔や首、肘や膝のくぼみにあらわれやすく、ひどくなると全身に広がります。

〈乳児期〉

口の周りや頬のただれ(図1)、首や手足のしわの部分の赤みやかゆみが目立ちます(図2)。

〈幼小児期〉

肌の乾燥が強くなり(図3)、肘や膝のくぼみに発疹がよくみられます(図4図5)。耳の付け根のくぼみにも湿疹がみられ、しばしばあかぎれのようになります。これは耳切れと呼ばれています(図6)。

〈思春期・成人期〉

下半身よりも上半身で発疹がよくみられ、顔(図7図8)、首、前胸部(図9)、上背部に発疹が強く出る傾向があります。

かゆみのために繰り返し引っ掻くので、皮膚がゴワゴワと厚くなります。これは苔癬化〈たいせんか〉と呼ばれています(図10)。また同じ部位をずっと掻いていると、皮膚が硬く盛り上がった病変になりかゆみが持続するようになります。これは痒疹〈ようしん〉と呼ばれ、治療に難渋します(図11図12)。

アトピー性皮膚炎は非常に頻度の高い皮膚炎です。
2000~2002年に行われた厚生労働省研究班の検診による全国調査では、4ヵ月児:12.8%、1歳6ヵ月児:9.8%、3歳児:13.2%、小学1年生:11.8%、小学6年生:10.6%、大学1年生:8.2%でした。また西日本小学児童におけるアンケート調査では、1992年(46,718人)の有症率は17.3%、2002年(36,228人)に同一小学校で行った調査での有症率は13.8%でした。

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