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免疫回避分子発現の免疫・組織学的検討
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皮膚腫瘍及び炎症性疾患におけるシグナル伝達分子及び免疫回避分子発現の免疫・組織学的検討
尋常性乾癬に対する活性型ビタミンD3軟膏とステロイド軟膏によるProactive Sequential Therapyの有用性に関する検討
かゆみ問診票の評価
● はじめに
生命の維持に重要なシグナル伝達経路は1990年代以降多くの研究者によって次々に発見されてきました。
このシグナル伝達制御機構が異常 をきたすと、癌や自己免疫疾患などの原因となります。また、腫瘍細胞が 宿主(ヒト)の免疫による攻撃から逃げてさらに広がる機序も、徐々に分か りつつあります。
皮膚病の中には悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌 などの腫瘍やアトピー性皮膚炎、乾癬、強皮症などの炎症性疾患があり、 現在、その発症・進展機序の解明や新たな治療法の発見が望まれてい ます。
今回、私たちは皮膚腫瘍および炎症性疾患において対照群(正常 皮膚等)と比べてシグナル伝達分子と免疫回避分子の発現に違いがある かどうか等について調べ、統計学的に解析し、新たな治療法の可能性を探ります。
図1.シグナル伝達経路
(MAPK系、PI3K系、Jak-STAT系等)
(クリックで拡大)
● 対象
皮膚科において1991年から2008年まで皮膚生検または切除術を受けられた方の切除標本を対象にしています。
● 研究内容
当科で生検あるいは切除された皮膚病変を使って、シグナル伝達分子や免疫回避分子の発現を免疫組織染色で調べます。この染色の結果と患者さんの背景を比較し、皮膚腫瘍や炎症性疾患においてこれらの蛋白質がどう関わっているのか、考察します。
この研究を行うことで患者様に日常診療以外の余分な負担は生じていません。
● 患者さんの個人情報の管理について
本研究では個人情報漏洩を防ぐため、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取っています。本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。
● 研究期間
研究を行う期間は承認日より2014年3月31日
● 医学上の貢献
研究成果は皮膚腫瘍及び炎症性疾患の発症機序の解明及び新しい治療法の発見の一助になり、患者様の治療と健康に貢献できます。
● 研究機関
九州大学大学院皮膚科学分野
教授 古江 増隆 (責任者)
准教授 師井 洋一
大学院生 大場 純奈
大学院生 謝 立寧
大学院生 辻 学
大学院生 独孤 龍
大学院生 栗原 雄一
連絡先:〒812-8582
福岡市東区馬出3-1-1
Tel:092-642-5585
担当:大場 純奈
図2.p-ERK(MAPK)の染色
赤〜茶色に染まっている部分がp-ERKタンパク質陽性。
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