アトピー性皮膚炎の患者さん相談会を開催すると、ステロイド外用薬を使っていいのか、ステロイド外用薬でアトピー性皮膚炎は治るのか、ステロイド外用薬でよくなってもやめればすぐに悪くなるのか、どのくらいが適量か、副作用は大丈夫か、などなど病気やステロイド外用薬への不安がいつも話題になります。さまざまな情報が氾濫し過ぎてどれを信じて治療すればいいのかわからず、不安でたまらないというのが実状なのかもしれません。不安は病気を悪化させます。不安の解消が、最も大切な治療への一歩です。これから、ステロイド外用薬の有効性や使用量のめやす、副作用の程度などの最新のデータ、さらに非ステロイド性免疫抑制薬であるタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)の有効性や副作用について説明します。読者の皆さんの不安が少しでも解消できれば幸いです。飲み薬に1日1回とか1日3回とかの決まった用法・用量があるように、塗り薬にも適量があります。塗る量が少な過ぎると治療効果はありません。この後に書いてある軟膏の塗り方の説明をよく読んで、適切な外用療法を行いましょう。
|