「ステロイド」は、もともと腎臓の上にある副腎という器官でつくられるホルモンです。これを人工的に合成したのがステロイド薬で、炎症を抑える効果があります。ステロイド外用薬は1952年から使用されている、長い歴史を持つ薬です。ステロイド外用薬を塗ると、塗った部位に集まっている炎症細胞の活性化を抑えるだけでなく、皮膚の細胞の活性化も抑えてくれます。ですから、きわめて効果的に皮膚炎を抑えることができます。皮膚炎が抑えられると、かゆみ神経の活性化も抑えられ、かゆみは急速になくなるのです。
ステロイド外用薬は、その効果の強さによって5段階に分けられていて、炎症の程度、炎症が起きている部位、年齢などによって、適切な強さのものが処方されます。部位を考慮するのは、薬の吸収率が部位によって大きく違うためです。顔や首などの皮膚がうすいところは吸収率が高く、手や足などの皮膚が厚いところでは吸収率は低くなります。また、乳幼児は吸収率が高く、お年寄りも皮膚がうすくなっているので薬がよく吸収されます。そのため、どちらも弱めの薬を使用します。
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