アトピー性皮膚炎 九州大学医学部皮膚科学教室TOPへ
ステロイド外用療法 タクロリムス外用療法 抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬 スキンケア 食物アレルゲン除去食療法
環境アレルゲン 紫外線療法 シクロスポリン内服療法 漢方療法 民間療法 合併症
合併症
深川修司1)、安元慎一郎2)、絹川直子3)、野瀬善明4)、古江増隆1)
1)九州大学大学院医学研究院皮膚科、2)久留米大学医学部皮膚科、3)九州大学病院医療情報部、4)九州大学大学院医学研究院医療情報部
クエスチョン

Q1: 水いぼってどんな病気?
Q2: 水いぼの治療はどうするの?
Q3: カポジ水痘様発疹症ってどんな病気?
Q4: カポジ水痘様発疹症の治療はどうするの?
Q5: とびひってどんな病気?
Q6: とびひの治療はどうするの?
Q7: アトピー性皮膚炎患者に白内障が起こりやすいと聞きましたが?

アンサー
合併症
Q1: 水いぼってどんな病気?

イラスト:合併症

A1: 水いぼ(伝染性軟属腫:でんせんせいなんぞくしゅ)は伝染性軟属腫ウイルスが皮膚に感染するために起こる病気です。真ん中が少し凹んだ数ミリの皮膚の白い盛り上がりが多発します。通常かゆみはありませんが、アトピー性皮膚炎患者の場合はもともとの湿疹によりかゆみを伴うことが多いようです。水いぼは接触することで感染し、プールや入浴時などの直接の接触によることが多いようです。アトピー性皮膚炎患者のように皮膚がかさかさしていると感染しやすくなると考えられます。
上へ戻る
合併症
Q2: 水いぼの治療はどうするの?
A2: 現時点では有効な薬はなく、ピンセットで水いぼをつまみとるのが確実な方法です。かなり痛いのですが、つまみとる前に麻酔のテープを貼っておくと痛みは少なくなります。しかし水いぼは普通は半年ぐらいで自然に消えてしまいます。したがって無理に治療する必要はないという意見もありますが、アトピー性皮膚炎患者の場合、掻くことによって新しい水いぼを作ってしまい、全身に広がったりします。またプールに行ったりすると、他人にうつしてしまうため、エチケットの上からも治療した方がいいと思われます。
上へ戻る
合併症
Q3: カポジ水痘様発疹症ってどんな病気?
A3:カポジ水痘様発疹症(かぽじすいとうようほっしんしょう)は単純ヘルペスウイルスが皮膚に感染するために起こる病気です。広い範囲に小さい水ぶくれができ、リンパ腺がはれたり、熱も38度以上の高熱がでることが多く、時には脳炎を起こすこともあります。水いぼと同じように、アトピー性皮膚炎患者のように皮膚がかさかさしていると感染しやすくなると考えられます。
上へ戻る
合併症
Q4: カポジ水痘様発疹症の治療はどうするの?
A4:早期に発見すれば、ウイルスを殺す飲み薬と安静でほとんどが治ります。重症の場合は入院してウイルスを殺す点滴治療をします。
上へ戻る
合併症
Q5: とびひってどんな病気?
A5: とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)は細菌(ブドウ球菌やレンサ球菌)が皮膚に感染し、その細菌が出す毒素により起こる病気です。水ぶくれができ、それが破れて汁が出てきます。そしてかさぶたになって治っていきます。夏を中心に子供に多く、水いぼやカポジ水痘様発疹症と同じように、アトピー性皮膚炎患者のように皮膚がかさかさしていると感染しやすくなると考えられます。また掻くことによって全身に広がったりするため、適切な治療が必要になります。
上へ戻る
合併症
Q6: とびひの治療はどうするの?
A6: とびひの範囲がせまい場合は、抗生物質の塗り薬でよくなりますが、広がってくる場合は、抗生物質の飲み薬も飲むようにします。またシャワーで清潔に保つことが重要です。
上へ戻る
合併症
Q7: アトピー性皮膚炎患者に白内障が起こりやすいと聞きましたが?
A7: アトピー性皮膚炎患者に、しばしば白内障(眼の水晶体というレンズが白く濁ってくる病気)を合併することが知られています。その原因は眼の周りの湿疹がかゆくて眼をこすったり、炎症が水晶体に影響を与えるためと考えられています。また同じ様に網膜剥離(もうまくはくり)が起こりやすいことも知られています。したがって、眼の周りの湿疹が悪化しないように十分な治療をすることが大切です。
上へ戻る

 

トップページへ戻る 上へ戻る
九州大学医学部皮膚科学教室TOPへ