アトピー性皮膚炎 九州大学医学部皮膚科学教室TOPへ
紫外線療法
研究分担者 高森建二 順天堂大学医学部附属浦安病院
研究協力者 種田研一 順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科助教
研究協力者 冨永光俊 順天堂大学大学院医学研究科環境医学研究所ポストドクトラルフェロー
要旨 はじめに 研究目的 研究方法 研究結果 考察 結論 参考文献
紫外線療法評価一覧
評価表の見方
評価法の見方
考察
アトピー性皮膚炎の治療については、日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎ガイドライン(24)によると、ステロイド外用を基本とし、補助療法.として抗ヒスタミン剤の内服を行うとされている。しかし、ADの中にはこれらの治療法に抵抗を示したり、ステロイドの長期外用や誤った使用法により副作用の発現例もまれではない。紫外線療法、特にPUVA療法はこれら患者に用いられ効果を発揮することから、第2選択療法(セカンドライン)として認められている。Rook/Wilkinson/Ebling のTextbook of Dermatology(25)においてもその有用性からセカンドラインの治療法として紫外線療法が挙げられている。しかし、PUVA療法の有効性報告のほとんどが比較群、コントロール群さえないオープン試験であるためランダム化比較試験(RCT)の基準を満たしていないため、EBMによる有効性の評価の対象にならないのが現状である。また、紫外線療法と発癌との関係についても同様である。今後、紫外線療法と発癌の関係についても、人種差、スキンタイプ、性差、部位差、照射回数、総照射量などについて大規模なRCTを行い、PUVA療法のガイドラインを作成する必要がある。一方、新しい紫外線療法であるUVA1療法やNarrow-band UVB療法などではRCTが行われ、EBMの評価に耐えられる報告が出始めている。
紫外線療法には発癌の問題があり、その適応にあたっては慎重に対処することが必要であろう。
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