アトピー性皮膚炎の患者さんに、「かゆい時にどうしているか」というアンケート調査をすると、最も多い回答が「冷やす」です。冷やすと確かにかゆみはやわらぎます。冷たいという感覚がかゆみ神経の活動を抑えるからです。冷たいおしぼりやアイスノンをやわらかい布に包んで患部にあてる、冷房を強くする、冬なら暖房を切るなどの工夫も必要です。最近では、保湿外用薬もスプレーになっていて、冷やす効果があるものも市販
されています。たとえば、100%精製ツバキ油スプレーは、かゆみの
抑制効果があることが知られています。このようなスプレーを携帯しておくことも考えてみてください。
「別のことを考える」、「無視する」という回答も多くみられます。別のことを考えて、かゆみに意識が集中しないようにしているのだと思います。体を動かす、好きなことをする(本を読む・ゲームをする)など、意識を他に向けることは大切です。子供の場合、遊びに集中しているときは、ほとんど引っ掻いていないのを、お母さんは気づいていると思います。
強く掻いている姿をみると、つい叱責しがちになりますが、そうした親の注意はかえって子供にとって大きなストレスになりますので、優しく接しながら、子供の好きなことをさせて気をそらしてあげるのが良いでしょう。テレビゲームは安易な方法の1つですが、睡眠不足、運動不足になりがちなので時間を決めておくことをおすすめします。
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