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PubMedにおいてpyodermaで 1報 が検索されたが、ロシア語の文献であり、詳細な評価は困難であった。staphylococcal skin infectionにて検索されたRCT11報のうち、1報は真菌感染症の項で取り上げ、ここでは記載しなかった。1報はドイツ語での報告であり、評価は困難であった。そのほか9報をSRに取り上げた。医中誌では、RCTで検索されたのはブドウ球菌に関して検索された、2報のみであった。そのほか、伝染性膿痂疹の治療に関して複数の症例に関して記載されている１例を追加して記載した。また、膿皮症で検索された2報は、それぞれせつ、慢性膿皮症に関する論文であり、いずれもADと直接の関連性のない論文であった。
ADでは、黄色ブドウ球菌が高率に検出され、皮疹の重症度と相関が認められる。黄色ブドウ球菌の産生する抗原(SEA, SEB, SEC, SED, SEE,TSST-1)に対するアレルギー反応などが、増悪因子の一つとして検討されている1,7。重症のアトピー性皮膚炎群で、TSST-1に対する特異的IgE抗体価が高く、TSST-1がAD患者を感作し、免疫抑制剤感受性に影響を与える可能性が末梢血単核細胞における評価から考察された論文も検索された8。合併症として、抗毒素IgE抗体値の推移と十二指腸潰瘍、頸椎症、病的反射などが、ADの皮疹とともに改善したとの報告がある2。また、皮疹中に高頻度に黄色ブドウ球菌が存在することから、化膿性関節炎、骨髄炎などを合併症として引き起こすことがあると報告されている3,4。治療に関しては、抗菌力を有する保湿剤の外用などでも、皮疹の改善と皮膚細菌のコロニー数の減少が得られると報告されている12,13,14,15,19,20,21。しかし、ステロイド外用、タクロリムス外用への抗菌薬の併用には明らかな有用性は示されなかった16,18。外用抗菌薬と全身抗菌薬の比較では、両者の治療効果に差はなかったとの報告があった17。前回までの報告でも、有意差は示されていない。小児科で比較的よく行われているイソジン消毒法に関して、アンケート調査では８割程度の両親が効果を感じたとの報告があった5が、消毒液使用による接触性皮膚炎の可能性もあり、慎重な検討も必要と思われる。
ADに合併した伝染性膿痂疹に限定して比較された報告は今回の検索ではなかった。現在市中感染のおおよそ30%がMRSAと報告されている。今回の検索でも、同様の頻度で報告されている6,10,11。一般に夏季に多い疾患であるが、ADでは一年を通して発症しやすく、反復感染も多い。年長児で発症する例ではAD患者が多い。伝染性膿痂疹では、MSSAを第一に考え、CFDNなどで初期治療を開始し、3－4日で改善がなければ薬剤感受性を確認し内服変更が妥当とする報告があった6。また、MRSAではMINOに感受性が認められている10。8例のAD、2例の健常児の伝染性膿痂疹でナジフロキサシン軟膏外用にて行われた検討では内服との併用でMRSAに対しても有効性が示されている9。
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