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カポジ水痘様発疹症、ヘルペス湿疹に関して検索を行った。Pubmedではeczema herpeticumで、2報の報告が検索されたが、1報はピメクロリムス外用による加療についての報告であった8。1報に関してはSRに取り上げた。医中誌で検索された4報はすべて、シクロスポリン内服、タクロリムス外用加療に伴う合併症としての報告であった。久留米大学からの報告では、プロトピック軟膏使用の患者の5％でカポジ水痘様発疹症を認めたと報告されている1。また、ネオーラル内服加療中の患者では56例中1例でカポジ水痘様発疹症が認められた2。ピメクロリムスの外用にて加療された小児では、76例中2例で疱疹状湿疹と診断された8。発症の誘因として、インターロイキン(IL)-18の低下が考えられている。タクロリムス軟膏で治療したAD患者でIL-18遺伝子プロモーターの多型を分析した結果、治療中にカポジ水痘様発疹症が認められた6名は認められなかった15名に対し、IL-18遺伝子プロモーター領域-137におけるＧのＣへの変異が高頻度に認められ、健常者ではこの変異を認めなかったとの報告がある3。また、ヘルペス性湿疹を合併した患者では、抗原感受性が高く、食物アレルギー、喘息の既往が多く、よりTh2優位に偏っているとも報告されている9。治療に関しては、アシクロビル、バラシクロビルなどの抗ウイルス薬で行われている。2003年以降新たに治療に関して報告された論文は検索されなかった。これまでに、ファムシクロビル4、アシクロビル5、バラシクロビル6での内服療法はいずれもRCTによって有効性が示されている。しかし、それぞれの薬剤の優劣に関しての報告は検索されえなかった。外用療法に関しては、帯状疱疹とカポジ水痘様発疹症の患者でビダラビン軟膏とゲンタシン軟膏で比較された論文があり、ビダラビン軟膏の有効性が示されている7。
伝染性軟属腫に関しては、Pubmed、医中誌合わせて3報の報告があった。RCTの報告はなかった。報告が少なかったため、#3で検索された論文のアブストラクトにて複数の症例にて評価されているものを追加してSRに取り上げた。
伝染性軟属腫の患者で行われた検討では、24％、18％にアトピー性皮膚炎を認めており10、11、アトピー性皮膚炎の患者では病変の数が多い傾向にあった。一般に、感染様式は、ヒトからヒトへの直接的な接触感染、器物を媒介する間接的な接触感染、同一個体内での自家接種などの経路が臨床的観察から推察されてきた。実際に生活用品や手などからPCR法を用いて行われた検討では、スイミングスクールのビート板などで高率にMCVDNAを検出した。しかし、ADの有無で両手及び、非病変部からの検出率に差を認めず、全身へのウイルス散布に掻破以外の経路の存在が示唆された12。薬物治療に関して、伝染性軟属腫に関しては、imiquimod13, podophyllotoxin14, 10% potassium hydroxide solution15, salicylic acid gel16などの有効性がRCTにて報告されているが、ADの患者において検討されたものはなかった。鉗子での摘除に関してAD患者を含めて行われた検討があったため、SRに取り上げた。
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