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第6代教授 古江 増隆先生(1997年10月から2021年3月まで在任)

古江教授はアトピー性皮膚炎の病態解析と新規治療薬の開発に力を入れ、抗IL-31抗体療法が本症の痒みを軽減することを臨床試験で明らかにし、2019年度文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞した。
また、全国油症治療研究班班長を2001年4月から2020年3月まで20年間務めた。その間、カネミ油症がダイオキシン類中毒であるという概念を確立させ、その主たる原因物質である2,3,4,7,8-PeCDFの血中微量定量を成功させ、2004年に血中2,3,4,7,8-PeCDF濃度を加えることで油症の診断基準の改訂を行い認定患者の掘り起こしを成功させた。2012年に施行された「カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律」および「カネミ油症患者に関する施策の推進に関する基本的な指針」の策定にも大きく関与し、同居家族認定への道を開いた。
さらに、ダイオキシン受容体であるAryl hydrocarbon receptor (AHR)と健康被害の関連研究を推し進め、ダイオキシン類によるAHRの過剰な活性化を抑え酸化ストレスを軽減する漢方方剤の同定に成功し油症への治療応用を開始させた。その功績から2018年度日本皮膚科学会Master of Dermatology賞を受賞した。
アトピー性皮膚炎の病態および油症の病態に関する退任講演の内容は業績集に掲載されている。
第6代教授 古江 増隆先生のご略歴
古江教授の業績集