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Aryl hydrocarbon receptor is required for optimal B‐cell proliferation

Villa M et al. EMBO J. 2017 Jan 4; 36(1): 116–128.

 Aryl hydrocarbon receptor ( 以下、AhR ) は環境汚染物質等をリガンドとする転写因子で、様々な細胞や組織で発現している。また、AhRはB細胞にも発現し、ダイオキシンによる液性免疫応答の抑制は良く知られている。しかしながら、B細胞におけるAhRの生理学的意義はよく分かっていない。今回我々は、AhR がB細胞の機能へ与える影響を検証した。

 まず、B細胞ではIL-4やanti-IgMの共刺激下で効率よくAhRの発現が誘導された。次に、B細胞抗原受容体を介してB細胞が活性化すると、AhRの核内移行やCYP1A1の発現が上がり、それがAhR内因性リガンドであるFICZの存在下で、より増強されることが分かった。さらに、Cre-loxP systemを介したB細胞特異的にAhR遺伝子欠損したマウスを用いて、AhRが欠損していると、細胞周期、特にG0/G1期に影響し、抗原依存的なB細胞の増殖と高親和性抗体の生成が損なわれた。最後に、RNAシークエンス解析やクロマチン免疫沈降法により、B細胞の増殖に、AhRの直接因子であるCyclin O ( 以下、Ccno ) が関与している可能性が示唆された。

 以上より、AhRはB細胞の増殖に重要であり、その因子としてCcnoの関与が示唆された。


【キーワード】
Cyclin O : 細胞周期を調節していると言われ、特にG1期で発現している。


 



小田 真理 2017/01/31


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