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Vitamin D Inhibits IL-22 Production Through a Repressive Vitamin D Response Element in the il22 Promoter

ビタミンDはil22プロモーターに存在するビタミンD応答エレメントを介してIL-22産生を抑制する

Daniel V Lopez, Fatima A H Al-Jaberi, Nkerorema D Damas, Brian T Weinert, Urska Pus, Sara Torres-Rusillo, Anders Woetmann, Niels Ødum, Charlotte M Bonefeld, Martin Kongsbak-Wismann, Carsten Geisler
Front Immunol. 2021 Aug 2;12: 715059. doi: 10.3389/fimmu.2021.715059. eCollection 2021.

Th22細胞は、インターロイキン(IL)-22の産生によって定義される、最近報告されたCD4+ T細胞サブセットである。IL-22の作用は、主に上皮細胞に限定される。IL-22は、ケラチノサイトの増殖を促進するが、その分化と成熟を阻害する。IL-22産生の異常は、アトピー性皮膚炎や乾癬のような炎症性皮膚疾患と関連している。ヒトのT細胞においてIL-22産生がどのように制御されているかは、完全には分かっていない。

本研究では、ナイーブヒトCD4+T細胞からIL-17を共発現しないTh22細胞を作製する条件を明らかにした。これらの細胞では、転写因子AhRとRORγtに加え、活性型ビタミンD3(1,25(OH)2D3)がIL-22産生を制御していることを示す。変異したビタミンD受容体(VDR)を持つT細胞用いて、1,25(OH)2D3によるIL22遺伝子転写の抑制が、T細胞におけるVDRの転写活性に依存していることを示した。

最後に、il22プロモーター領域のビタミンD応答要素(VDRE)を同定し、1,25(OH)2D3-VDRがこのVDREを介してIL-22産生を直接阻害することを示した。



辻 学 2022/02


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