Journal Club

Effects of in utero exposure of C57BL/6J mice to 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin on epidermal permeability barrier development and function.

C57BL/6Jマウスにおける2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxinの子宮内暴露の表皮透過性バリアの発達と機能への影響

Muenyi CS, Carrion SL, Jones LA, Kennedy LH, Slominski AT, Sutter CH, Sutter TR.
Environ Health Perspect. 2014 Oct;122(10):1052-8. doi: 10.1289/ehp.1308045. Epub 2014 Jun 6.
PMID: 24904982

背景:
表皮透過性バリアの発達は新生児の生命に必須である。これらバリアの欠陥はアトピー性皮膚炎のような様々な皮膚疾患で確認されている。

目的:
2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)が表皮透過性バリアの発達と機能にどのような影響を与えるのかを調査した

方法:
妊娠中のC57BL/6Jマウスに懐胎12日までコーンオイルもしくはTCDD10μg/kg/日を与えた。胎芽は胎生15、16、17日目と出産後1日目に採取された。

結果:
TCDDは胎生15日目の初めには皮膚透過性バリアの発達を促進していた。これは経皮的水分逸脱(TEWL)、角層の著明な減少に伴うものである。いくつかのセラミドレベルは胎生15、16日目に著明に増加していた。出産1日後の組織ではTCDDに起因する表皮肥厚と表皮の過形成を認めた。顆粒層においてタイトジャンクション末端のclaudin-1-staining染色で色素漏出が増加しており、表皮のタイトジャンクション機能崩壊に伴うものと考えられる。動物は一般的にタイトジャンクションの欠陥で観察される現象であるTEWLの割合は増加しないため、テープストリッピングを行った。角層の除去はTCDDにさらされた生後1日目の子で、コントロールと比較して著明なTSWLの増加につながった。

考察:
TCDDへの子宮内での曝露は漏れのあるタイトジャンクションを持つ病的な表皮透過性バリアの構築を促進する。



江藤 綾佳 2020/09


閉じる