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Effects of perinatal dioxin exposure on development of children: a 3-year follow-up study of China cohort.

周産期のダイオキシン曝露が子供の発育に及ぼす影響:中国コホートの3年間の追跡調査。

Wang Z, Hang JG, Feng H, Shi LL, Dong JJ, Shen B, Luo T, Cai RM, Shen LJ, Kido T, Sun XL.
Environ Sci Pollut Res Int. 2019 Jul;26(20):20780-20786. doi: 10.1007/s11356-019-05362-0. Epub 2019 May 18.
PMID: 31102233

本研究の目的は、3年間の追跡調査において、周産期のダイオキシン曝露が身体的成長に及ぼす経時的な影響を調査することであった。

2015年に電子廃棄物(e-waste)解体地域に住む母子ペア27組と対照地域に住む35組を本研究に登録した。生後4週目に母乳サンプルを採取した。体重、身長、頭囲、胸囲を含む身体的成長を生後6ヶ月と3歳時に測定した。

母乳中のダイオキシン濃度をガスクロマトグラフィー/高分解能質量分析法で測定した。2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンおよびポリ塩化ジベンゾジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)およびPCDDs/PCDFの母乳中の毒性等価値は、e-waste解体地域に居住する女性で有意に高かった。

3歳男児では、身長とPCDDs-TEQの間に逆相関が認められた。女児では、身長と2,3,7,8-TetraCDD、PCDDs-TEQ、PCDDs/PCDFs-TEQ、3歳時の体重とPCDDs-TEQ、PCDDs/PCDFs-TEQとの間に正の相関が認められた。

この研究では、ダイオキシン曝露により、生後3年間の成長が男子では低下したが、女子では成長が増加しており、性差が観察された。



塚本 華倫 2020/06


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