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The higher prevalence of developmental defects of enamel in the dioxin-affected region than non-dioxin-affected region: result from a cross-sectional study in Vietnam.

ダイオキシン影響地域のエナメル質の発達障害の有病率は非ダイオキシン影響地域よりも高い:ベトナムにおける横断的研究からの結果より

Ngoc VTN, Huong LT, Van Nhon B, Tan NTM, Van Thuc P, Hien VTT, Dung TM, Van Toan N, Anh LQ, Son LH, Chu-Dinh T, Chu DT.
Odontology. 2019 Jan;107(1):17-22. doi: 10.1007/s10266-018-0358-1. Epub 2018 May 11.
PMID: 29752597

エナメル質の発達障害(DDE)は、遺伝や環境を含むいくつかの要因によって誘導・制御されている。汚染地域のダイオキシンが歯の健康や発育に強い影響を与えていることを示すエビデンスがある。しかし、ベトナムのダイオキシン汚染地域におけるDDEに関する研究はこれまで行われていない。

ベトナムの調査地域におけるDDEの有病率に及ぼすダイオキシンの影響を明らかにするために、2015年にトゥアティエンフエ省のA Luoi地区(ダイオキシン影響地域)とハナム省のKim Bang地区(ダイオキシン非影響地域)の成人2200人を対象に横断的調査を実施した。

被験者は全員、構造化された質問票を用いて面接を行い、1992年のFDI基準に基づいてエナメル質の欠陥があるかどうか歯を検査し、スコアリングした。その後、欠損した歯を写真撮影した。

その結果、A Luoi地区のDDE率は口内有病率で20.5%、歯内有病率で5.8%であったが、Kim Bang地区のDDE率は口内有病率で10.4%、歯内有病率で2.32%であった。また、両地区では、口内有病率が10.4%、歯有病率が2.32%であったが、Kim Bang地区では口内有病率が10.4%、歯有病率が2.32%であった。前歯群のDDE率は後歯群よりも高かった。前歯群は後歯群に比べてDDE率が高く、ほとんどの病変は歯の頬側に発生していた。

結論としてダイオキシン影響地域のDDE有病率は、非ダイオキシン影響地域の2.2倍であった。



塚本 華倫 2020/05


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