Journal Club

Host monitoring of quorum sensing during Pseudomonas aeruginosa infection.
緑膿菌感染症におけるクオラムセンシングに対する宿主側のモニタリング

Pedro Moura-Alves, Andreas Puyskens, Anne Stinn et al.
Science. 2019 Dec 20;366(6472). pii: eaaw1629. doi: 10.1126/science.aaw1629.

緑膿菌は、クオラムセンシング(QS)により変化した環境に迅速に適応する。 QS分子は宿主によっても感知されるが、その受容体とシグナル伝達経路はよくわかっていない。

我々は、宿主の芳香族炭化水素受容体(AhR)は、緑膿菌のクォーラムの質・量をセンサーとして察知するという調節パターンを明らかにした。

QS分子は宿主のAhRに結合し、その活性を明確に調節した。これは、さまざまな成長過程から収集された緑膿菌とQS変異体を有する緑膿菌の感染においても観察された。

これらのことから、宿主のAhRは、細菌のクォーラムをスパイすることによって、感染の際に主要なセンサーとして機能し、感染の状況に応じて宿主防御を調整することが明らかとなった。



辻 学 2019/11


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