Journal Club

Lack of the aryl hydrocarbon receptor accelerates aging in mice.
マウスにおいてAHRの欠如は老化を促進する。

Isabel Bravo-Ferrer, Mar´ıa I. Cuartero, Violeta Medina et al.
The FASEB Journal Vol. 33 November 2019

AHRはリガンドによって活性化される転写因子で、薬物代謝・解毒作用・炎症において重要な役割をすることが知られている。我々は、野生型マウスとAHR-nullマウスを観察研究し、AHRと老化が関与する炎症反応に関連性があるか全身性とCNSのレベルで検討した。

AHRの欠乏は、早い時期から血漿中サイトカインのレベルが増加するといった老化が関与する炎症反応を来し、早老の表現型に関連すると考えられた。また、AHRの欠乏は、大脳白質を低下させ、解剖学的に脳の老化を促進すると考えられた。さらに、AHRの欠損マウスは、同週齢のAHRが欠乏していないマウスに較べて、早期から空間記憶障害を発症し、海馬のアストログリア増殖症を来した。最後に、老化に伴い脳におけるAHRのタンパクレベルの発現が低下することを発見した。

これによってAHRと老化の強い関連性が示唆された。



辻 学 2019/09


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