Aryl hydrocarbon receptor polymorphisms are associated with dry skin phenotypes in Chinese patients with atopic dermatitis.
(Aryl Hydrocarbon Receptorの遺伝子多型は中国人のアトピー性皮膚炎患者のdry skin phenotypeに関連する)

Li ZZ, Zhong WL, Hu H, Chen XF, Zhang W, Huang HY, Yu B, Dou X.
Clin Exp Dermatol. 2018 Nov 29. doi: 10.1111/ced.13841.

背景
表皮バリア機能障害は、アトピー性皮膚炎の発症における最初の原因である。最近の研究で、芳香族炭化水素受容体(Aryl Hydrocarbon Receptor: AHR)が、フィラグリンやその他の表皮バリア蛋白の遺伝子発現をコントロールすることが報告されており、AHRとアトピー性皮膚炎の病態との間に関連性が考えられている。

目的
アトピー性皮膚炎またはアトピー性皮膚炎に関連したphenotypeにAHRの遺伝子多型が関与するかを調査した。

結果
アトピー性皮膚炎、乾癬、健常者からAHRの遺伝子多型（rs10249788、rs2066853）が見つかったが、３つのグループ間で特に有意な相関は認めなかった。しかしながら、アトピー性皮膚炎でrs10249788 (CT + TT)かrs2066853(AG + AA)のどちらかのgenotypeである場合には、著しいdry skinを呈することが分かった。また、アトピー性皮膚炎でrs10249788 (CT + TT)とrs2066853(AG + AA)の両方のgenotypeである場合には、さらに著しいdry skinを呈することが分かった。

結論
今回発見したAHRの遺伝子多型は、アトピー性皮膚炎の発症リスクとは関連がなかった。しかしながら、アトピー性皮膚炎の著しいdry skinを呈するphenotypeには関連があることが明らかとなった。

辻　学　2019/06/05