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The aryl hydrocarbon receptor in involved in UVR-induced immunosuppression

J Invest Dermatol [Epub ahead of print]

【要旨】

紫外線照射(UVR)による免疫抑制には複数の機構が関与していると考えられている。UVRによる制御性T細胞(Treg)の誘導のほか、DNA修復に携わるIL-2,IL-18,Il-23,Vit.D等の投与によりUVRによる免疫抑制が軽減することから、UVRによるDNAの障害そのものが免疫抑制を誘導していることも知られている。一方、AhRがUVRによって活性化されることやAhRノックアウトマウスではUVRによる免疫抑制が減弱していることから、AhRのUVRによる免疫抑制への関与が推測されていた。


筆者らはマウスのDNFBによる接触性皮膚炎(CHS)モデルを用いて、UVRによるCHSの抑制効果がAhRのアンタゴニストであるMNF: 3-methoxy-4-nitroflavone投与により減弱することを明らかにした。またこのメカニズムとしてMNFがUVRによるTreg誘導を抑制していることを明らかにした。一方、AhRのアゴニストであるNP: 4-n-nonylphenolをCHSモデルに投与することで、抗原特異的なTregが誘導されCHSが抑制された。さらにこのTregの誘導が、樹状細胞に依存していることが明らかにされた。


この研究によりAhRがUVRにより誘導される免疫抑制に関与していること、AhRの活性化がUVR類似した免疫抑制効果を起こすことが明らかにされた。AhRは抗原特異的に免疫抑制を誘発するpotential targetであることが明らかになった。


北 和代 2013/07/09

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