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Coal tar induces AHR-dependent skin barrier repair in atopic dermatitis

J Clin Invest 2013;123:917-27.

【要旨】

筆者らはコールタールの抽出物が、AhRを介してケラチノサイトにおけるフィラグリンなどの角化に必要な遺伝子の発現を増強することを明らかにした。またフィラグリン遺伝子の変異をヘテロに持つため、フィラグリン蛋白の産生が低下しているアトピー性皮膚炎患者由来のケラチノサイトにおいても、コールタールを添加することでフィラグリン蛋白の産生が増加することが示された。


さらにTh2サイトカインによって誘導された(アトピー性皮膚炎に類似する)、表皮の海綿化、フィラグリン遺伝子などの発現低下、CCL26遺伝子の発現増強がコールタールによって正常化し、これらの作用がNrf2の活性化とそれに基づくSTAT6の脱リン酸化によることが明らかにされた。


内 博史 2013/06/01

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