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Characterizing the impact of simvastatin co-treatment of cell specific TCDD-induced gene expression and systemic toxicity

細胞特異的TCDD誘発遺伝子の発現および全身毒性のシンバスタチン併用療法の影響の特性評価

Amanda Jurgelewicz , Rance Nault , Jack Harkema , Timothy R Zacharewski , John J LaPres
Sci Rep. 2023 Oct 3;13(1):16598. doi: 10.1038/s41598-023-42972-8

2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシン(TCDD)は、ヒトのメタボリックシンドローム(MetS)と関連しており、マウスにおいてAhr経路の活性化を介して非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と似た病状を引き起こす。MetSの一側面であるコレステロールホメオスタシスの調節不全は、NAFLDの病因に関連している。

TCDDへの曝露は、主要なコレステロールの生成段階および血清コレステロール値の変化をコード化する遺伝子の抑制にも関連している。以前の実験では、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoAレダクターゼ競合阻害剤であるシンバスタチンの併用下でマウスをTCDDで治療すると、TCDD単独と比較して雄マウスの脂質およびグリコーゲンの値が変化し、Ahrバッテリー遺伝子の発現、肝障害が出現した。この研究の目的は、マウスの肝臓における単核RNAの配列を利用して、代謝変化と損傷の増加について考えられるメカニズムを推測することだった。

我々は、共治療マウスがTCDD単独と比較して消耗が激しく、活性化Ahrが増加することを実証した。さらに、細胞(サブ)タイプの相対的な割合は、TCDD単独マウスと、肝細胞や免疫細胞集団などのNAFLD進行期における重要な媒介物質を含む共治療マウスで異なっていた。非重複の差次的発現遺伝子の解析により、シンバスタチン併用治療がTCDDの誘発に有意な影響を与える経路がいくつか同定され、これらが治療間の違いの根拠となりうる。

このことは、コレステロールホメオスタシスの調節不全と毒物誘発性代謝変化との関連を示している。



芳賀 美和 2024/02


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