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Nuclear localization of STING1 competes with canonical signaling to activate AHR for commensal and intestinal homeostasis

STING1の核局在はカノニカルシグナルと競合し、常在性腸管ホメオスタシスのためにAHRを活性化する

Ruoxi Zhang, Chunhua Yu, Herbert J Zeh, Haichao Wang, Guido Kroemer, Daniel J Klionsky, Timothy R Billiar, Rui Kang, Daolin Tang
Immunity. 2023 Dec 12;56(12):2736-2754.e8. doi: 10.1016/j.immuni.2023.11.001. Epub 2023 Nov 27.

STING1(STINGとしても知られる)タンパク質は、細胞質内の異所性DNAに対する免疫反応と自己貪食反応を調整するシグナル伝達ハブとして重要であることが、広範な研究によって証明されている。今回我々は、STING1が転写因子アリール炭化水素受容体(AHR)の活性化を促進し、腸内細菌叢の組成と恒常性を制御する核機能を持つことを報告した。

この機能は、DNAセンシングやオートファジーとは独立しており、細胞質内の環状グアノシン一リン酸(GMP)-AMP合成酵素(CGAS)-STING1シグナル伝達との競合阻害を示した。構造的には、STING1の環状ジヌクレオチド結合ドメインはAHRのN末端ドメインと相互作用していた。プロテオーム解析から、STING1が介在するAHRの転写活性化には、陽性および陰性制御タンパク質を含む、さらなる核内パートナーが必要であることが明らかになった。AHRリガンドは野生型マウスの大腸炎病態と腸内細菌異常症を改善することができたが、STING1の変異による不活性化によってこの保護作用は消失した。

これらの知見は、微生物叢と免疫系との間の核内分子クロストークを理解するための重要な枠組みを確立した。



成富 真由香 2024/02


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