Journal Club

Potential Therapeutic Skin Microbiomes Suppressing Staphylococcus aureus-Derived Immune Responses and Upregulating Skin Barrier Function-Related Genes via the AhR Signaling Pathway.

黄色ブドウ球菌由来の免疫反応を抑制し、AhRシグナル経路を介して皮膚バリア機能関連遺伝子を増加させる治療効果の期待できる皮膚微生物叢

Lee E, Min K, Ahn H, Jeon BN, Park S, Yun C, Jeon H, Yeon JS, Kim H, Park H. Potential Therapeutic Skin Microbiomes Suppressing Staphylococcus aureus-Derived Immune Responses and Upregulating Skin Barrier Function-Related Genes via the AhR Signaling Pathway.
Int J Mol Sci. 2022 Aug 23;23(17):9551. doi: 10.3390/ijms23179551. PMID: 36076953; PMCID: PMC9455615.

皮膚微生物のバランスの乱れは、特定の皮膚疾患を悪化させ、予後や治療に影響を及ぼす可能性がある。黄色ブドウ球菌(SA)などの皮膚の特定の微生物の分布や頻度の変化は、重症のアトピー性皮膚炎(AD)や乾癬(Pso)の発症に影響を与えることがある。ADやPsoでは、SAのコロニー形成により皮膚バリアの機能不全が生じ、角化および進行性の慢性炎症が生じる。SAのコロニー形成による皮膚バリア障害は、Tヘルパー2(Th2)由来のサイトカインの産生を上昇させ、Th1、Th2、Th17細胞の不均衡を引き起こす可能性がある。

本研究では、Cutibacterium avidum R-CH3やStaphylococcus hominis R9などの治療用皮膚マイクロバイオームが、AhRやNrf2の標的遺伝子を活性化して、SAのバイオフィルム形成を阻害し、皮膚バリア機能関連遺伝子を回復するかを検討した。

その結果、SAのコロニー形成により誘導されたIL-4/IL-13によるFLG、LOR、IVLの抑制は、AhR/Nrf2の活性化によって回復することが確認できた。さらに、OVOL1の発現は、AhR/Nrf2の活性化によって機能的なマイクロバイオームによって調節される可能性があることが示された。これらの結果は、治療用皮膚マイクロバイオームは、IL-13およびIL-4に依存したFLGの調節、STAT3の活性化、およびAhRを介したSTAT6の発現を介して、SAによるTh2に偏った皮膚バリア障害を防止できることを示唆した。



四本 周 2022/05


閉じる