Journal Club

Particulate matter 2.5 induces the skin barrier dysfunction and cutaneous inflammation via AhR- and T helper 17 cell-related genes in human skin tissue as identified via transcriptome analysis.

ヒト皮膚組織においてPM2.5はAhRおよびTh17細胞関連遺伝子を介して皮膚バリア機能障害および炎症を誘導する(トランスクリプトームよる解析によって同定された)

Kim HB, Choi MG, Chung BY, Um JY, Kim JC, Park CW, Kim HO.
Exp Dermatol. 2022 Dec 5. doi: 10.1111/exd.14724.

PM2.5は、表皮バリア障害を介して炎症性皮膚疾患を引き起こす環境汚染物質である。しかし、PM2.5によって引き起こされるメカニズムや関連する遺伝子発現は依然として不明である。我々は、PM2.5がヒト皮膚組織におけるTh17細胞関連炎症性サイトカインと皮膚バリア機能に及ぼす影響をex vivoで調べ、明らかにすることを目的とした。

Quantseq(3'mRNA-Seq)を用いてGene Ontologyとタンパク質間相互作用ネットワークによってPM2.5で刺激したヒト皮膚組織の遺伝子発現量を検証した。

PM2.5により、Th1、2、17、22細胞関連遺伝子の発現が有意に増強された。中でもTh17細胞関連遺伝子が上昇し、それらの遺伝子はAryl hydrocarbon Receptor (AhR) の経路に関連していることがわかった。

ヒトケラチノサイト細胞株では、PM2.5によって、AhR制御遺伝子(AhRR、CYP1A1、IL6、IL36Gなど)、Th17細胞関連遺伝子(IL17Cなど)、表皮バリア関連遺伝子(SPRR2A、KRT71など)が著しく増加した。タンパク質レベルでは、IL-6とIL-36Gの産生が増加し、SPRR2AとKRT71の発現が有意に増加した。PM2.5は、AhRおよびTh17細胞関連の炎症経路を介して、表皮バリア機能を損なう可能性がある。



四本 周 2022/04


閉じる